本研究は、社会主義の模範といわれ、スポーツ分野でも世界の注目を集めた東ドイツのスポーツ史を再構成するための基礎的研究として、ドイツ統合後に書かれた旧東ドイツスポーツ関係者の言説を自叙伝的著作の分析を中心に検討するものである。平成21年度においては、研究実施計画に従い、研究を進めた。その成果は以下の通りである。 1ドイツにおける著者たちなどへのインタビューの実施 平成21年度では、平成20年度において収集した関係資料を読み進めるとともに、自叙伝的著作の内容を確認するためにもドイツへ赴き、著者へのインタビューを実施した。 著者たちが高齢であることや、寒波の影響で、インタビューを実施できたのはHettrich Hassのみであったが、やはり実際に会ってみたことによって、多くの貴重な示唆を得た。また、他の著者たちの近況についてもHassoから情報を得たので、今後会ってみたいと考えている。 その他、ドイツにおいて著者たちに関する情報も収集した。 2関係資料のさらなる収集 平成20年度において関係資料はほぼ入手していたが、不足していたものをドイツおよび日本の図書館などで、複写・収集した。 3研究成果の公表 東ドイツにおいて人気のあったスポーツ選手TaeveとRecknagelの自伝について、それぞれ検討したものを発表した。
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