本研究では次の2つの実験をおこなった。(1)マウスを対象に視運動性眼球運動の刺激模様の面積と位置に対する依存性を明らかにした。眼球運動の初期成分(刺激後100-200ms)は刺激模様の縦幅が5度では眼球から上方25度の位置に提示した場合が最も眼球運動速度が速かった。(2)ヒトを対象に身体roll傾斜(条件A)と横方向の遠心力(条件B)に対する傾斜感覚と回旋性眼球運動の特性を明らかにした。傾斜感覚と回旋性眼球運動は条件Aと条件Bで特性が大きく異なった。以上の結果は、高速運動物体に対する動体視力の神経機構の解明のための研究の基礎的データとなる。
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