研究概要 |
発育期のラットに対するFGF-7の発現抑制が,骨格筋の成長にどのような影響を及ぼすのかについて検討するため,FGF-7 mRNAに対するsiRNAを発現するplasmidであるFGF-7 shRNA plasmidと既知の特定の遺伝子発現を修飾しないランタ゜ム配列のsiRNAを発現するplasmidであるRandom配列shRNA plasmidをpBAsi-hU6 Neo Plasmid(Takara)を使用して作成した。Competent E coli cells(JM109)にFGF-7 shRNA plasmidおよびRandom配列shRNA plasmidを導入し,形質変換を行った。形質変換されたEcoli cellsのコロニーをピックアップし,液体培地にて増幅を行った。さらに,得られたPlasmid DNAは,EndoFree Plasmid Mega Kit(Quiagen)を用いて,精製を行った。 精製されたFGF-7 shRNA plasmidおよびRandom配列shRNA plasmid(80~100ug)を4週齢のWistar系雄性ラットの前脛骨筋に投与し,その後のFGF-7, MyoD, myogenin, M-cadherin, PCNA, p-21の各mRNA発現を観察することでFGF-7の役割を検討した。FGF-7 shRNA plasmid投与5日後,MyoD mRNAおよびPCNA mRNAに変化がみられなかったものの,myogenin mRNAにおいてRandom配列shRNA plasmid投与群と比較して有意な発現量の低下が観察された。M-cadherin mRNAおよびp-21 mRNAにおいても有意ではないが,FGF-7 shRNA plasmid投与によって発現量が低下する傾向が示され,FGF-7の発現抑制によってdifferentiation段階で筋成長が阻害される可能性が示唆された。
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