ラット強制水泳時のコエンザイムQ10(CoQ10)レドックスサイクルの変化とCoQ10の疲労軽減効果について検討した。4週間CoQ10を経口投与したラットでは、コントロール群に比べて水泳負荷にともなう血清乳酸量やLDH遊離量は低値を示したが、さらに水泳持続時間の延長と還元型CoQ10量の減少が確認された。しかしながら、総(酸化型と還元型の総和)CoQ10量には変化が認められなかった。また、その際にはラット肝細胞質のNADPH-CoQ還元酵素活性がコントロール群に比べて有意に上昇していた。 以上の結果は、CoQ10が運動性疲労を軽減できる可能性を示唆し、その作用機構にはNADPH-CoQ還元酵素を中心としたCoQ10レドックスサイクルが重要な役割を担っていることを認めた。
|