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2010 年度 実績報告書

唾液中アミラーゼを指標としたストレス評価とストレスマネジメントへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 20500599
研究機関九州大学

研究代表者

入江 正洋  九州大学, 健康科学センター, 准教授 (00248593)

研究分担者 林 直亨  九州大学, 健康科学センター, 准教授 (80273720)
キーワードストレス / リラクセーション / アミラーゼ / 唾液 / 変動
研究概要

ストレスとリラクセーションによる唾液アミラーゼ反応の差異について検討するために、70名の大学生を無作為に2つにグループ分けして、クロスオーバーデザインにより、内田・クレペリン検査による計算ストレス負荷と自律訓練法によるリラクセーションの誘導を行った。どちらも10分間別々の部屋で同時に実施し、前、5分後、10分後に、アミラーゼモニターを用いて唾液アミラーゼ活性を測定した。その結果、介入の前後でのProfile of Mood States(POMS)の変化からは、リラクセーション効果があるものと思われ、アミラーゼ活性もリラクセーションで低下する傾向がみられたものの、計算ストレス負荷では有意な変化はなかった。また、介入の前後の各種情動とアミラーゼ活性との間に有意な順位相関関係はみられなかった。
事務系企業社員に関する研究では、健常新入社員39名を対象として、入社目、その3日、8日後の3回、アミラーゼ活性を測定するとともに、POMSによる情動の変化について検討した。その結果、アミラーゼ活性は入社後に有意に低下し、初回と比べて3回目で有意な低下を認めた。また、初回においてアミラーゼ活性とPOMSの疲労との間に有意な正の相関がみられた。
その他、17名の社員を対象として、月曜日から金曜日まで連続した5日間の午前10時における変動、月曜日、水曜日、金曜日の3日間での午前10時、午後0時、午後3時、午後5時の日内変動、1年間に及ぶ隔週(月2回)における月曜日の午前10時の変動について検討したが、いずれもアミラーゼ活性の有意な変化はみられなかった。
以上の結果から、リラクセーションや入社後の慣れによるストレス低減が、唾液アミラーゼ活性の低下に結びつく可能性が示唆されたが、ストレス負荷との関係は定かではなく、明らかなアミラーゼ活性の勤務時間内の日内変動や勤務の曜日での変動、年間の変動は見いだせなかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 大学生を対象としたストレス負荷とリラクセーション誘導による唾液アミラーゼ活性の変化2011

    • 著者名/発表者名
      入江正洋
    • 雑誌名

      健康科学

      巻: 33 ページ: 27-32

  • [雑誌論文] 事務系企業集団を対象とした職業性ストレス関連事項、生活習慣と唾液アミラーゼ活性に関する検討2011

    • 著者名/発表者名
      入江正洋
    • 雑誌名

      健康科学

      巻: 33 ページ: 33-38

  • [雑誌論文] 唾液アミラーゼ活性の長期的個人内変動と主観的ストレスとの関係2011

    • 著者名/発表者名
      入江正洋
    • 雑誌名

      健康科学

      巻: 33 ページ: 39-45

  • [雑誌論文] 急性ストレスと心血管障害~自律神経系を中心としたストレス反応と生理学的指標を含めて~2011

    • 著者名/発表者名
      入江正洋
    • 雑誌名

      健康科学

      巻: 33 ページ: 1-12

  • [雑誌論文] 労働環境の変化と職場のメンタルヘルス2011

    • 著者名/発表者名
      入江正洋
    • 雑誌名

      心身医学

      巻: 51 ページ: 385-396

  • [学会発表] 新入社員の入社後の唾液中アミラーゼ濃度の変化2010

    • 著者名/発表者名
      入江正洋式
    • 学会等名
      第20回日本産業衛生学会産業医・産業看護全国協議会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      2010-10-15
  • [学会発表] 労働環境の変化と職場のメンタルヘルス2010

    • 著者名/発表者名
      入江正洋
    • 学会等名
      第511回日本心身医学会総会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2010-06-27

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公開日: 2012-07-19  

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