生理周期は専用の高精度な婦人体温計を使って自宅で朝の起床時、生体の代謝の一番低い時の口中温度を、基礎体温として、毎日計測する。その月間の変化記録を病院に持って行き、産婦人科医に見せ、基礎体温の変化傾向から生理周期を推定してもらう。しかし、長期にわたって毎日欠かさず行う基礎体温の計測は、持続の困難さと煩わしさから一般的に難しいと言わざるを得ない。さらに、断片的なデータを用いて行われる、産婦人科医による主観的な判断は、信頼性と正確性が大いにかけている。 本研究の目的は、上述の問題点を解決する。 1.基礎体温の持続計測における煩わしさと困難さを解消するため、睡眠時に心拍数を自動的に毎日計測する。 2.医師の経験に依存する主観的な判断の代わりに、数学モデルとデータマイニング技術を用いて、月間の心拍数変動から生理周期を自動的に推定する。 当該年度の主な研究内容は下記の3点に集中し、実施した。また、1点目は、本年度の重点課題として推進してきた。 1.メンテナンス不要かつ信頼性の高いセンサユニットの設計と開発、及びネットワークベースの全自動データ収集システムの構築。 2.女性1名を依頼し、枕センサユニットを用いて、毎晩睡眠時の心拍数と朝の基礎体温の収集。 3.隠れマルコフモデルを用いて、心拍数変動から生理周期を推定するアルゴリズムの開発。
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