この研究の主な成果は3つの点を挙げられる。 (1)ユーザ端末(ベッドサイドボックスとセンサボード)の開発 長期にわたって睡眠時の心拍数を全自動的に収集できる計測手法の開発と装置設計、試作。計測装置はベッドサイドボックスとセンサボードから構成されている。センサボードは枕の下又はマットの下に置き、睡眠時の心臓拍動に由来する微弱振動を感知する。ベッドサイドボックスはこの振動信号を増幅し、AD変換を行い、データベースサーバに送信する。 (2)自動解析アルゴリズムの開発とパフォーマンスの評価 隠れマルコフモデルなどデータマイニングアルゴリズムを開発し、日頃睡眠時の連続心拍数から生理周期を自動的に推定する手法を提案し、パフォーマンスを評価した。さらに、枕の下とマットの下に3箇所(背、臀、小腿)、それぞれセンサボードを設置し、異なる部位の計測パフォーマンスを検討し、最適の計測部位を特定した。 (3)ネットワークデータベースサーバシステムの構築と自動解析アルゴリズムの実装 ユーザ端末からネットワーク経由で睡眠時の心拍数を自動的に収集するためのデータベースサーバシステムを構築し、(2)で開発したアルゴリズムをサーバ上で実装し、総合的な性能評価を行った。
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