本年度に実施した調査概要は、以下の通りである。 (1) 調査対象 児童、保護者、教員からの同意・協力が得られた東海地区の小学校2校(小学生4〜6年生)を調査対象とした。いずれも山間部における小規模校であった。 (2) 調査内容・測定項目 通学条件、心身機能および生活時間に関しては、(1)通学形態(距離、時間、方法、通学経路などの交通環境)、(2)自覚的心身症状、(3)学校生活、(4)自宅での生活(塾・習い事、学習状況など)の各項目について、質問紙調査を実施した。身体活動については、腰部装着型加速度モニターを用いて1週間測定した。生化学指標については、登校時および4時間目終了時における唾液中のコルチゾールとクロモグラニンAを測定した。 (3) 調査結果 学校生活(勉強、成績、友達関係など)に関するストレスや学校生活中の気分は、通学中の負担感と有意に関連がみられた。通学時間や通学中の徒歩時間が長くなると、通学環境に伴う負担感が増加する一方で、腹痛や頭痛などの身体症状の訴えは有意に減少する傾向がみられた。通学時間が長いほど、登校時におけるコルチゾールは低値であることが示された。
|