研究課題/領域番号 |
20500623
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50260807)
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研究分担者 |
松本 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60316081)
藤村 吉博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80118033)
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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キーワード | 老化 / 血栓形成 / VWF / ADAMTS13 / 水分摂取量 |
研究概要 |
これまで夏季スポーツ活動前後の血栓形成関連因子(VWF抗原量・ADAMTS13活性)について検討してきた。 今年度はスポーツ活動時における血栓形成関連因子の老化の影響について、高齢者と若年成人で比較検討を行った。VWF抗原量の安静値レベルは若年成人の72.8±15.6%に対して、高齢者では127.6±35.5%と有意に高値を示すことが認められた。また、スポーツ活動の影響については、運動終了直後に高齢者で173.1±44.6%、若年成人では127.6±22.5%と有意な増加を示した。安静時レベルからの変化量については両群間で有意な差は認められなかったものの、実際の運動強度において、物理的・相対的にも高齢者で強度が低かったことを考えると、高齢者での運動の影響がより大きかったと推察される。さらに高齢者に回復の遅い傾向がみられた。一方、VWFを分解する酵素活性(ADAMTS13活性)の安静値レベルは若年成人の86.6±15.3%に対して、高齢者では67.9±17.6%と有意に低いことが認められた。これは安静レベルで高値を示すVWFを分解するために活性が低下している可能性もあるが、老化に伴ってADAMTS13産生量そのものが低下していることも十分予想される。さらに、高齢者では口渇感の鈍化の影響もあり夏季スポーツ活動時の水分摂取量が若年成人に比して有意に低かったことなども考えあせると、今後、高齢者の夏季スポーツ活動には、水分摂取や休息などについて十分な注意の必要性が示唆された。
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