研究課題/領域番号 |
20500624
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40168018)
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研究分担者 |
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00232877)
牟礼 佳苗 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90268491)
辻 あさみ 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (60310794)
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キーワード | 血圧 / 運動習慣 / 食事 / 酸化ストレス / 内臓脂肪アディポサイトカイン |
研究概要 |
柿酢入りみかんジュースを8週間飲用することにより、正常高値血圧者、高血圧者の血圧は有意に低下した。血圧が高めの対象には弱いながらも降圧作用があることが明らかになった柿酢の飲用による血圧低下のメカニズムはカリウムと酢酸による作用と考えられる。カリウム含量の多い柿酢の降圧作用の機序のひとつとして考えられる。 全対象者の柿酢飲用前平均血中抗酸化能は1315.9±31.8μMcopperreducingequivalentであったのに比し、柿酢飲用後は1447.5±36.3μMcopperreducingequivalentと有意に増加していた。(P<0.001)柿酢には抗酸化作用があり、飲用することで血中抗酸化能を上昇させ、酸化ストレスレベルを低減する可能性が示唆された。 柿酢入りみかんジュースによる降圧作用は緩やかなものであった。柿酢の降圧効果は毎日30分の速歩きを続けるのと同等の効果と考えられた。 肥満のないBMI25未満の群では、飲用前後で収縮期拡張期とも有意に血圧は低下したが、BMI25以上の肥満の群では拡張期のみ有意な低下であった。柿酢飲用以前に体重の是正が重要と考えられた。 運動習慣の有無で、柿酢の降圧効果の差をみるために万歩計の歩数で7500歩以上の群と7500歩未満の2群に分類し比較した。7500歩以上の群では、2/6mmHg、7500歩未満の群では14/9mmHgと運動量の少ない群により降圧効果がみられた。飲用前の血圧を比較すると、7500歩以上の群は139/86mmHg、7500歩未満の群は149/91mmHgと運動量の多い群の血圧が低値であった。これは、上に述べた生活習慣修正に基づく降圧効果と一致する。運動量の多い群では飲用前の血圧からすでに低めの対象が多く、飲用後の血圧に差が出にくかったと思われる。
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