【概要】 ヒューマンカロリメーター(HC)により測定される短時間(15〜30分)エネルギー消費量(EE)の測定精度評価システム構築のため、高精度ガス噴出装置の仕様を決定、製作した。 【背景】 HCは、ガス採取用マスク等を装着することなく、日常生活に近いスタイルでのEEを測定する装置であり、生活習慣病予防等に関連する貴重な基礎データを提供している。しかし、HCは1日24時間にわたる長時間のEEを高精度に測定するが、測定原理上、短時間(15〜30分)のEEを正確に測定することが困難な欠点があり、HCでの短時間EEの高精度測定が国際的にも求められている。 【本年度の実績】 本年度は、身体活動によりダイナミックに変動するガス濃度を模擬する高精度ガス噴出装置を製作した。ガス噴出装置には、1)マスフローコントローラ(MFC)、2)MFCの流量を制御するプログラム調節計、3)プログラム調節計への噴出流量をパソコン上で設定する流量入力ソフト、3)噴出した流量の値を出力する表示装置、4)噴出ガス(N2、CO2混合ガス)が含まれる。本ガス噴出装置はHCの測定精度を評価するものであるため、高い妥当性および再現性が要求される。このため、装置の仕様について、業者とともに検討を重ね、噴出流量の誤差5%以下とする仕様を実現した。 【今後の計画】 ガス噴出装置を用いて、HCにより測定される短時間EEの精度を評価する。
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