【概要】 ヒューマンカロリメーター(HC)により測定される短時間(15~30分)エネルギー消費量(EE)の測定精度評価システム構築のため、昨年度製作した高精度ガス噴出装置を用いて、ガス噴出実験を行ない実験データを蓄積、新たなデータ処理方法の検討を行なった。本研究は独立行政法人国立健康・栄養研究所の協力のもとに行った。 【背景】 HCは、ガス採取用マスク等を装着することなく、日常生活に近いスタイルでのEEを測定する装置であり、生活習慣病予防等に関連する貴重な基礎データを提供している。しかし、HCは1日24時間にわたる長時間のEEを高精度に測定するが、測定原理上、短時間(15~30分)のEEを正確に測定することが困難な欠点があり、HCでの短時間EEの高精度測定が国際的にも求められている。 【本年度の実績】 本年度は、1)昨年度製作した高精度ガス噴出装置の動作確認、2)ガス噴出装置を用いた複数回のガス噴出実験の実施、3)HCでのEE算出のための新たなデータ処理方法の検討を行なった。煩雑な操作が誤作動の原因となるなど、ガス噴出装置において幾つかの改良すべき点がみつかった。取得した実験データは、現在、解析中である。HC(国立健康・栄養研究所)での既存のEE算出方法に、国際的に複数施設のHCに用いられているHenningら(1996年)の方法を組み合わせたデータ処理方法を検討した(引き続き検討中)。 【今後の計画】 本研究課題最終年度である来年度は、1)ガス噴出装置の改良、2)ガス噴出実験を繰り返し行ない実験データを蓄積、3)HCによる短時間EE測定の精度評価システムの確立、4)研究成果の公表を行なう。
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