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2010 年度 実績報告書

胎児期低栄養による成人病発症への幹細胞機能異常の関与

研究課題

研究課題/領域番号 20500632
研究機関日本大学

研究代表者

入部 雄司  日本大学, 医学部, 研究員 (20348618)

研究分担者 福田 昇  日本大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (40267050)
松本 太郎  日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
野呂 知加子  日本大学, 生産工学部, 准教授 (80311356)
キーワード子宮内胎児発育遅延 / メタボリック症候群
研究概要

今回我々は、ラット子宮内胎児発育遅延(IUGR)モデルに対する高食塩食負荷による骨髄における遺伝子発現の網羅的解析をおこなった。妊娠12日(母)ラットを2群に分け、浸透圧ポンプ(200μL/時)により生理食塩水、デキサメタゾン(200μg/kg/日)をそれぞれの群に1週間投与した。出生後4週目(1ヶ月齢)からそれぞれの群の仔ラットを2群に分け、正常食、8%NaCl食(メタボリック症候群誘導、内皮細胞傷害モデル)をそれぞれの群に1ヶ月間与え続けた。骨髄からトータルRNAを採取し、マイクロアレイ(Affymetrix GeneChip RatGene ST Array)による遺伝子発現の網羅的解析を行なった。結果:出生時体重生食投与群6.22±0.08グラム、デキサメタゾン投与群4.57±0.09グラム(平均±標準誤差)、仔血圧:1か月齢における両群の血圧には有意差は認められなかった。また、今回の検討ではデキサメタゾン投与群からの出生ラットの体重は、調査2ヶ月間を通じ、生理食塩水投与群からの出生ラットの体重と比較し有意に低く追いつくことはなかった(体重のcatchup認められなかった)。遺伝子発現解析:デキサメタゾン投与群における遺伝子発現の顕著な特徴としてはcathepsin K、mast cell protease等の有意な発現上昇、hpocalin2の有意な発現減少および、高NaCl食負荷による前記増加遺伝子の発現減少および減少遺伝子の発現増加であった。骨髄における仔ラット遺伝子発現のプロファイルとして胎児期のデキサメタゾン暴露は成体骨髄からの幹細胞の易遊走傾向に遺伝子発現がプログラムされ、また、長期の高塩食負荷はこれをキャンセルすることが示唆された。今回の遺伝子発現解析は今後の低出生体重児のメタボリック症候群発症機序の解析に重要な示唆を与えたと考える。

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公開日: 2012-07-19  

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