研究課題/領域番号 |
20500636
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
丹羽 淳子 近畿大学, 医学部, 講師 (60122082)
|
研究分担者 |
東野 英明 近畿大学, 医学部, 教授 (40122098)
阪上 浩 近畿大学, 医学部, 講師 (60372645)
大島 佳奈 近畿大学, 医学部, 助手 (60278653)
|
キーワード | 脳卒中 / 運動 / 血管内皮前駆細胞 / 血管新生 / 血管発生 / 神経幹細胞 / 造血幹細胞 |
研究概要 |
遺伝性の高血圧と脳卒中易発症性を呈し、ヒトの本態性高血圧症の病態モデルとされる脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)に、自発的な運動を長期間おこなわせると、脳卒中発症遅延に加え、病変部の縮小や神経症状の軽減が認められた。これら運動療法による非薬物的な予防および治療効果の一因として、骨髄からの造血幹細胞や血管内皮前駆細胞、また組織幹細胞の増加を仮定し、骨髄、末梢血また脳病変部局所組織の幹細胞および前駆細胞を分離検出し、運動ラットと非運動ラット両群を比較検討した。運動群は、円周約1mの回転輪付ケージ内で、6週齢から8週間自発的な自由運動をおこなわせた。1日平均の運動量は、2500m〜3000mであった。非運動群は、運動群ケージと同等の面積の回転輪のない個別ケージ内で飼育した。 1.脳病変部から、造血幹細胞Abcg2、神経幹細胞Bmi-1、血管幹細胞VEGFR2のmRNAレベルをリアルタイムPCRにより測定した。運動群では非運動群に比し、VEGF-R2は約4倍、Bmi-1は約3倍に増加した。また免疫組織染色により、運動群の病変部組織の新生血管(抗VEGF-R2抗体)と神経幹細胞および前駆細胞(抗Nestin抗体)の著明な増加が明らかとなった。病変部周囲の単位面積あたりの血管数(抗vWF抗体)は、運動群では非運動群の約9倍であった。 2.骨髄および末梢血中の血管内皮前駆細胞数をフローサイトメーターで解析した。運動群のCD34^+CD31^+およびCD34^+Flk-1^+細胞は、非運動群に比し、骨髄で約5倍、末梢血では約1.7倍に増加した。
|