研究課題/領域番号 |
20500636
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
丹羽 淳子 近畿大学, 医学部, 講師 (60122082)
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研究分担者 |
東野 英明 近畿大学, 医学部, 教授 (40122098)
中村 恭子 近畿大学, 医学部, 助教 (10512197)
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キーワード | 脳卒中 / SHRSP / 運動習慣 / 血管内皮前駆細胞 / 神経幹細胞 / 血管新生 / 神経新生 / 機能回復 |
研究概要 |
運動法による脳卒中発症抑制および延効果の一因として、血管内皮前駆細胞(EPC)や神経幹細胞の増加が予想される。その病理組織学的検討を行う目的で、脳卒中易発症性高血圧自然発症(SHRSP)の腹腔内に、増殖細胞を検出するため、Bromodeoxyuridine (BrdU) 50mg/kg/dayを発症前(12週齢)と発症後2日目より5日間連続投与した後、発症1週後から4週後まで、神経再生が明らかになっている海馬歯状回(SGZ)と側脳室周囲(SVZ)および発症部局所について時間をおって観察した。抗CD34抗体陽性(EPCを含む血管内皮細胞)微小血管数は、発症10日後、病変部周囲組織において、運動群(EX)は非運動群(SED)に比し、約9倍増加し、BrdU陽性細胞も認めた。また抗Nestin抗体陽性(神経幹細胞)および抗Doublecortin(DCX)抗体陽性(神経幹細胞・幼若細胞)は、EXラットでSEDラットに比し、発症前にSGZとSVZで有意な増加を認めた。その後発症1週目で減少した後、2週目以降、EXラットではSEDラットに比し、SGZとSVZ、病変部ともに陽性細胞が著明に増加した。さらに、血管新生や神経再生に関与することが報告されているVascular endothelial growth factor (VEGF)、CXCL12、Brain-derived neurotrophic factor (BDNF)について、血漿レベルと脳病変部、SGZとSVZの産生量を測定した。VEGFは、血漿、脳ともに発症前に、EX群でSED群より有意な増加を示したが、SED群が発症後も増加するのに対し、EX群では発症後減少した。一方、骨髄と末梢血中EPCのVEGF Receptor2の発現量は、SED群に比しEX群で発症後も有意な増加を示した。SGZとSVZのBDNFおよび血漿CXCL12レベルは、発症1週目にEX群でSED群に比し有意に増加した。
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