研究概要 |
<研究目的>神経筋相互作用に関して、筋活動が如何にしてシナプス形成を調節するのか、除神経筋に関する神経筋再接合を何が調節するのかは明らかにされていない。そこで、筋損傷に伴う一過性除神経後のシナプス再形成において、筋原性の調節が起こるか否かを検討した。<研究方法>一過性除神経から神経終末再接合期における神経栄養因子およびMHCmRNAの発現と量的変化及び筋の機能特性、神経筋接合部の形態変化に関する検討をおこなう。実験動物は、生後10週齢のFischer344雄ラットを18匹用いる。被験筋は、PLA、EDL、SOLとする。餌、及び飲水は自由摂取とする。一過性除神経モデルラットは、麻酔科にて坐骨神経に液体窒素で冷却したステンレスロッド(径3.5mm)を5秒間押し当て、神経を凍結させる。神経凍結後1日,2日,3日,5日,7日,14日,28日後にラットを安楽死させ物理的刺激を可能な限り与えないよう注意して筋を摘出する。ラットから被験筋を摘出し、筋発揮張力測定及び神経成長因子、神経栄養因子、MHCmRNA発現と量的変化の測定、NMJ超微細構造の形態変化の観察を行う。遺伝子発現量は、骨格筋よりRNAを抽出し、RT-PCR法にて定量した。ラットから被験筋を摘出し、筋発揮張力測定及び神経成長因子、神経栄養因子、MHCmRNA発現と量的変化の測定、NMJ超微細構造の形態変化の観察を行う。遺伝子発現量は、骨格筋よりRNAを抽出し、RT-PCR法にて定量した。<結果>神経凍結後の筋におけるNMJでは、時間経過に伴い、脱神経が起こることが確認された。神経凍結7日以降、NMJの構造は再接合の兆候が観察された。筋発揮張力は、神経凍結2日後まで張力が発揮されなかった。神経凍結7日以降は値が回復し、21日後には、神経凍結前の値まで回復がみられた。遺伝子発現量は変化が現れなかっため、条件を検討し22年度に継続する。
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