研究概要 |
本研究は,経済的資源のみに頼らない生活資源教育の充実・発展を目指すものであり,具体的に高等学校家庭科における生活設計教育の検討を進めた。 本年度は,下記に挙げるとおり,大きく2段階にわけ,枠組みの再確認,調査表作成を行ったが,枠組みの再確認と調査票の作成において,若干の時間を要した。ただし,調査票の作成においては,事前調査等が必要なことは計画立案の段階から予測していたため,その計画に沿って,次の研究を進めた。 (1) 本研究の枠組みの再確認。 今回は,今まで十分検討できなかった内外の関連図書も入手し,理論構築もより精巧なものとしていった。また,それと並行して高校家庭科における生活設計教育の現状も確認した。その結果,高校家庭科においては,教員側も生活設計教育に対して十分な理解をしているとは言い難く,本研究のアウトプットとして,生活設計の意義付けも含めた授業内容を考えていくことの重要性が確認できた。 (2) 現状の確認および調査票の作成。 調査項目は具体的には経済的資源として小遣い等の「金銭」と,モノとしての「財」,空間的資源として個人部屋等の「静的空間」と「活動空間」,時間的資源として「学業時間」「自由時間」,人的資源として「学力」「生活能力」,対人的資源として「家族関係」「友人関係」などをはじめとして,各資源に5つ程度の事項をあげ,それらに対して,(1)管理する資源の現状と,(2)資源管理意識,についての回答を求める質問紙案を作成した。それらの質問紙票を用いて,次年度高校生に対して調査を行う予定である。
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