研究概要 |
ライフスタイルは文化や人間関係,社会環境など地域独自の要因に影響を受けるため,地域性を考慮した分析や対応が必要である。全国の市区町村では客観的指標を用いて地域のライフスタイルを評価しようとしているが,小地域単位でライフスタイルの変化を評価しうる統計資料は少なく,客観的な評価に苦慮しているのが現状である。 そこで本研究では,二次医療圏別合計特殊出生率を用いて地域の健康水準とその関連要因を検討することを試みた。データは時系列変化の評価に適しており、人口構成の影響を受けにくく地域の健康水準を評価するのに有用な健康指標である。保健医療サービスの多くは二次医療圏単位で供給されており,健康水準に関連する要因を評価するためには,二次医療圏単位のデータが有用である。 今年度は,市区町村単位の合計特殊出生率を基にして二次医療圏単位の値を計算し,分布を観察した。さらに,二次医療圏別合計特殊出生率と各種指標との関連を性別に検討した。 今後,二次医療圏単位で社会経済的指標等のデータベースを作成して,合計特出生率との関連を検討する。健康水準にどのような社会経済的要因が関連するのかを分析し,地域の健康水準を測る有効な指標について検討する。
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