研究概要 |
本研究では、脳血管障害者の基本動作能力別の日常生活介助方法(以下ADL方法)を明らかにすることを目的とした。平成23年度の到達目標は、平成20年度、21年度に収集したデータより、脳血管障害者においては基本動作能力をADL介助方法の指標と捉えることができるかを検証し、基本動作能力別にどのようなADL介助方法があり、どのように分類されるか、について明らかにすることとした。 研究成果の具体的内容としては、平成20年度の脳血管障害者42名のデータより、脳血管障害者においては基本動作能力をADL介助方法の指標と捉えることができるかを検証し、多重ロジスティック分析の結果,ADL自立度に影響する変数として,基本動作能力が選択され,他の運動機能障害,感覚障害,高次脳機能障害の機能状態を表す9個の変数は選択されなかった.次に,基本動作能力とADL項目自立度との関係をみると,ADL13項目のうち11項目の自立度には基本動作能力による差がみられた.以上のことから,基本動作能力はADLの一つの指標どなることが示唆された.また、平成21年度の脳血管障害者149名のデータと全国の回復期リハビリテーション病棟の作業療法士587名のデータより、基本動作能力別のADL介助方法を分類した。 本研究の重要性としては、脳血管障害者と残存能力を判断した上でADL介助を行う作業療法士からの客観的データから基本動作能力を基にしたADL介助方法の分類を報告し、自立(リハビリテーション)の視点からの介助方法を分類できたことであり、本研究の成果は介護の現場に活かせる意義があると考える。
|