今日、子どもの遊び場環境は多様化し変化している。子どもの遊び場環境の充実の必要性が高まっている一方、統計的に実際の利用者数などが十分に把握できている状況にない。こうした中、鎌倉市はその地域ごとのニーズや整備状況、特性についても差異があるものの、集客力に関する十分な検証は行われていない。遊び場公園の魅力係数を単純に公園面積としている研究事例などはあるが、総合的な公園の誘致力を推計することはこれまでまだ十分おこなわれていない。実際には公園の魅力については遊戯施設の内容や管理施設などの要因が複合的にリンクして価値が決まる。そこで、今回の研究においては、鎌倉市内の全遊び場公園を対象として、その魅力係数にっき考察し、さらにその入場者数予測手法につき分析を行った。調査の実施にあたっては利用者層およびアクセス等から各公園への利用者の誘致力を重力モデル(ハフモデル)による誘致力の測定を行った。 第一段階として地元自治体である鎌倉市をケーススタディとして、公園の整備実態と課題を把握し、適正な公園配置や地域の特性に応じた遊具配置の展開など、今後の都市計画的な整備戦略を検討する。 また、個別の公園の遊具の課題、利用者ニーズ等を探り、地域における遊び場の課題を明らかにする。以下のような手順に従い調査を実施した。(1)鎌倉市内の街区公園の全数抽出およびプロット、(2)公園施設の魅力係数に関して因子分析より検討、(3)公園利用者数のシミュレーションを行った。 公園機能についてエリアごとにその特性や求められる機能が異なっており、また人口の集中度合や必要機能などを十分考慮した遊び場の構築が必要であることが分かった。今後はその遊具や展開機能によってさらに精査し、分析を進めていく必要性がある。
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