研究課題
本研究では安全で創造的な「遊び場空間」を確保し、また構築するうえでの課題を調査分析し、適正な遊び場の展開方策や、課題のある遊び場空間をどのように魅力的で安全なものとするかを計画論的な視点から、方向性について検討することを目的とした。まず先進事例として、特徴ある最新児童館や公園施設、児童健全育成に係わる各種取り組み等、遊び場空間をとりまく事例分析を行い、安全で魅力的な遊び場空間の構築に関するコンセプトや施設整備のあり方について考察を行った。このなかで遊び場の魅力づくりや安全・危機管理、運営上の工夫などにつき様々な取り組みが行われていること等が分析された。分析結果から各施設の遊び場の利用実態、課題・安全性などについて課題を整理した。また、ケーススタディとして実際の遊び場施設(鎌倉市内全公園)をとりあげ、その魅力係数に関する分析を昨年に引き続き行い、さらにその入場者数予測シミュレーションを行った。その際、計量モデルを作成しながら、遊び場空間における行動モデルを検討し、計画的課題や実態把握への適用性などについて検討した。遊び場の利用者の誘致力を試算するにあたって、公園の魅力については遊戯施設の内容や管理施設などの要因が複合的にリンクして価値が決められるため、個別公園の遊具の実態、課題などを分析し、広域的な遊び場空間の配置や政策的な方策についてもあわせて分析を行った。また施設内における利用者動向を調べる方法としては、横浜こどもの国における利用者実態から、行動シミュレーションを構築する試みを行った。広域的な検討を進めるには、公園の整備実態と課題を把握し、計量モデルなどを作成しながら都市計画的な適正な公園配置や地域の特性に応じた遊具配置の展開など今後の整備戦略について検討を行う必要性があること等が確認された。望ましい公園・遊び場空間の配置や方策について地域的な特性への対応や、アクセス性、利用などについて分析を行った。
すべて 2010 2009
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鎌倉女子大学学術研究所所報 10
ページ: 1-10
日本建築学会学術講演梗概集(東北大会) E-1分冊
ページ: 832-833