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2010 年度 実績報告書

洗浄機構に関わる流体力の検討ー洗浄力に及ぼす界面活性剤水溶液の流れ挙動の解明ー

研究課題

研究課題/領域番号 20500663
研究機関岩手大学

研究代表者

天木 桂子  岩手大学, 教育学部, 准教授 (80193019)

キーワード界面活性剤水溶液 / 洗浄 / 抗力 / 流体力 / 粘性
研究概要

洗浄機構における汚れの除去機構を考える場合,洗浄液中の界面活性剤や洗浄補助剤による界面化学作用とともに,外部から被洗物に与えられる物理作用も重要である.本研究は,物理作用のひとつである洗浄液の持つ流体力に着日したもので,特に界面活性剤水溶液の流動特性を解明し,流体力学的にも水より汚れ除去に有効である手がかりを得ることを目的としている.
本課題の最終年度であった本年度は,特に界面活性剤水溶液の物性値の1つである粘性を測定した.試料溶液は,洗浄液として通常用いられる球状ミセルを形成する界面活性剤6種(LAS, SDS, AE(10), AE(23), BC, CTAB),およびひも状ミセルを形成する各種塩を添加したCTABで,濃度,温度依存性を探った.用いたレオメータは微小粘度測定装置(ReoRoxJR.)である.その結果,ほぼすべての条件下で,界面活性剤水溶液の粘度はわずかではあるが水より高かった.特に,ひも状ミセルを形成する塩添加したCTAB水溶液は水との差が大きく,さらに添加モル比が大きいほど粘度も高かったことから,これは形成されたミセルの数量に依存していると推察された.また,温度の影響も明確で,20℃前後の低温域での変化が著しく,30℃以上の中温域での変化はそれに比べて小さかった.
今回得られた粘性の傾向と,これまでに得られている流動実験を比較すると,界面活性剤水溶液の流動挙動の解析に水の粘度を利用することは不適切であると考えられ,各種流体固有の物性値を用いる必要があると判断される.しかし,界面活性剤水溶液に見られる抵抗減少効果は粘性のみでは説明できないこともあらためて裏付けられ,弾性力の寄与,ミセルの流動時の変形,すべり流動の可能性などの関与が示唆される結果となった.

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公開日: 2012-07-19  

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