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2010 年度 実績報告書

紫外線カット剤による環境材料(衣料及び生活用品)の耐久性改善と身体防護性能付与

研究課題

研究課題/領域番号 20500667
研究機関大阪教育大学

研究代表者

織田 博則  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80131176)

キーワード紫外線防護係数 / 耐光性 / 染料 / 縮合型 / 紫外線カット剤
研究概要

1.目的 近年、紫外線による皮膚障害を防御する意識が高まり、日光堅ろう度に優れた紫外線カット繊維製品の新たな開発が望まれている。この現状下、ここでは、日光堅ろう度改善に優れた効果を有する紫外線カット材料の開発と生活環境材料への応用を目的として検討を行った。
2.実験 紫外線吸収剤HBT及びTHB、オレンジIは市販品を,ベンゾトリアゾリル基を有する紫外線カット剤は新規に合成した。染料の光退色挙動は前回と同様酢酸セルロースフィルムを作成して検討した。紫外線カット材料(1X10^<-3>mol/l)含有、厚さ60μmの酢酸セルロースフィルムは常法により作成し、T%測定後オーストラリア/ニュージランド共同規格(AZ/NZS4399:1996)の式よりUPFは求めた。
3.結果及び考察 酢酸セルロース上でのオレンジIの光退色は1hキセノンアーク灯を照射することにより、23%退色し、10hの光照射では、82%と殆ど退色するのに対し、HBTやTHB及び自動酸化防止剤(HP)の添加の系では、僅かな退色の抑制効果が見られるのみであり、市販紫外線カット剤混合系では僅かに優れた退色の抑制効果が見られた。またTHBへのモノベンゾトリアゾリル基導入紫外線カット剤およびジベンゾトリアゾリル誘導体の添加の系では顕著な抑制効果の向上は見られなかったが、ベンゾトリアゾリル基へのスルホン酸基の導入体では、1hの光照射で6%と無添加の系の1/4に退色を抑制し、10h照射時でも、その退色は41%と、無添加の系の1/2に抑制した。この事実は、ベンゾトリアゾリル基への置換基の導入が有効なことが示唆される。その為、各種置換基の導入効果を検討した。その結果、スルホン酸基の他にメチル基の導入は有効であったが、塩素置換体は不利に働いた。また、身体防護係数(UPF)に及ぼす置換基の効果も酢酸セルロースフィルム中で検討した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] An approach to the photostabilization of dyes : The effect of multifunctional stabilizers on the light fastness of acid dye2011

    • 著者名/発表者名
      Hironori Oda
    • 雑誌名

      SEN-I GAKKAISHI

      巻: 67 ページ: 112-117

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 紫外線カット材による野外スポーツウェア-の耐光性改善と身体防護性能付与に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      織田博則, 他2名
    • 雑誌名

      デサントスポーツ科学

      巻: 32 ページ: 94-100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 染料の光退色に及ぼす多機能性光安定化剤の効果2010

    • 著者名/発表者名
      織田博則
    • 雑誌名

      繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告

      巻: 61 ページ: 35-38

  • [雑誌論文] 色素退色抑制技術を用いたウレタン黄変防止剤の開発2010

    • 著者名/発表者名
      堂ノ脇靖己、織田博則, 他4名
    • 雑誌名

      福岡工業技術センター研究報告

      巻: 20 ページ: 1-3

  • [雑誌論文] カキポリフェノールの濃染化と光退色抑制2010

    • 著者名/発表者名
      三木靖浩、織田博則, 他6名
    • 雑誌名

      奈良県工業技術センター研究報告

      巻: 36 ページ: 1-6

  • [学会発表] オレンジIの光退色に及ぼす多機能型光安定化剤の効果2010

    • 著者名/発表者名
      織田博則
    • 学会等名
      第49回染色化学討論会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2010-09-28
  • [学会発表] 柿ポリフェノールの耐光性改善剤開発の試み2010

    • 著者名/発表者名
      織田博則
    • 学会等名
      平成22年度繊維学会秋季年会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2010-09-27
  • [学会発表] 酸性染料の光退色に及ぼす多機能型光安定化剤の効果2010

    • 著者名/発表者名
      織田博則
    • 学会等名
      平成22年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-06-17
  • [学会発表] クチナシ青色素の耐光性改善2010

    • 著者名/発表者名
      織田博則
    • 学会等名
      日本学術振興会 繊維・高分子機能加工第120委員会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2010-06-12

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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