本研究では、心臓ペースメーカー使用者のための電磁波遮蔽衣服の開発を行うとともに、電磁波の健康への影響を予防するための電磁波遮蔽衣服の設計に必要な疑似生体と着装シミュレーション実験方法の確立を目的としている。 電磁波遮蔽布の開発は進んでおり、すでに数社より電磁波OAエプロン等の衣服が発売されている。そのシールド性についても先行研究がある。しかしながら、電磁波遮蔽布のシールド性実験方法は統一されておらず、着装実験においても充填物のない空洞のボディや0.5%塩化ナトリウム液で満たした疑似生体が使用されている。それでは着装シミュレーション実験としては不十分であると考え本研究を行う。 以上の目的に沿って、平成20年度は次のような成果が得られた。 1)試作品について電磁波シールド性の実験を行うための疑似生体を製作した。内容物を決定後。アクリル製のボディで疑似生体を試作した。 2)疑似生体のどの部分に受信アンテナを固定させるかを決定した。 3)試作品を疑似生体に着装させて電磁波シールド性の実験を実施した。 4)成果を学会で報告した。 以上の結果を踏まえて、21年度はさらに追加実験を実施し、最もシールド効果の高い衣服の形状を決定する。また、ペースメーカー使用者の安全を保証するための実験を繰り返す必要がある。
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