型紙系型染の研究は、型紙そのものの調査研究と、これによって染められた実作品の調査研究が両輪をなす。一年目に当たる平成20年度は、型紙の調査及び関連染織品の調査を中心に行なうとともに、型紙作品のデータベース化の準備作業も行なった。 今年度行なった調査は、長崎による都内・個人所蔵の型紙の調査及び京都市・京都文化博物館における型紙関連染織品の調査(以上、平成20年11月20〜21日)のほか、伊藤による三重県伊勢市の伊勢型紙資料館での型紙調査及び名古屋市・徳川美術館での関連染織品調査(以上、平成21年度1月17〜18日)、奈良市・奈良国立博物館及び京都市・京都市考古資料館における関連染織品の調査(以上、平成20年12月24〜25日)である。 データベース化に関わる作業としては、パーソナル・コンピューター及びプリンター、データベース作成ソフト等を購入し、入手できた国内の美術館所蔵の型紙に関する情報を、臨時職員2名を雇用し、資料を整理後、適宜帳票形式で入力した。(以上、平成20年10月1日〜11月29日のうち24日間)また型紙に関する情報収集の一環として、都内・個人所蔵型紙の写真撮影を行い(以上、平成20年12月25日)、型紙の種類・模様・時代判定等の分析及びデータベース化に備えることとした。 なお、植木も民俗学的な立場から型紙関連資料の収集に努め、型紙及び近世染織関連文献資料の一覧作成などを行った。
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