型紙系型染の研究は、型紙そのものの調査研究と、これによって染められた実作品の調査研究が両輪をなす。二年目に当たる平成21年度は平成20年度に引き続き、型紙の調査及び関連染織品の調査を中心に行なった。今年度行なった調査は、長崎による京都市・個人所蔵の型紙の調査(平成21年11月8~9日)のほか、伊藤による福岡県福岡市美術館での染織品、日本及び東アジアの型染手法の見学及び、福岡県太宰府市九州国立博物館での古代から近代までの染織品、特に沖縄・琉球の型染染織品調査(以上、平成21年度12月5~6日)である。また、型紙の現存遺品を購入し、型紙の種類・模様・時代判定等の分析に活用した。 データベース化に関わる作業としては、平成20年度に購入したパーソナル・コンピューター及びプリンター、データベース作成ソフト等を活用し、入手できた国内の美術館所蔵の型紙に関する情報を、臨時職員2名を雇用、資料を整理後、適宜帳票形式で入力した。(以上、平成21年12月1日~平成22年1月29日のうち16日間・15日間)また型紙に関する情報収集の一環として、都内・個人所蔵型紙の写真撮影を行い(以上、平成21年12月10日・17日)、型紙の種類・模様・時代判定等の分析及びデータベース化を行った。 なお、植木も民俗学的な立場から型紙関連資料の収集に努め、型紙及び近世染織関連文献資料の一覧作成などを行った。
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