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2008 年度 実績報告書

塩蔵ダイコンの黄変化制御による品質保持技術ならびに食品機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20500687
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

松岡 寛樹  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (20299837)

キーワード食品 / 漬物 / 脂肪酸 / 塩蔵ダイコン / 抗変異原性
研究概要

前年度までに,塩蔵ダイコンの抗変異原性物質としてパルミチン酸やα-リノレン酸を主とした遊離脂肪酸の存在を明らかにしてきた。そこで,本年度は加工工程による脂肪酸の消長と製品中の分布を明らかにし、塩蔵ダイコンとタクアン漬け製品中の機能性脂肪酸の動態を検討した。その結果,最も食品成分が溶出しやすいと考えられる脱塩・圧搾工程において,塩蔵ダイコンと比較して脂肪酸含量に違いはなく,極性の低い脂質・遊離脂肪酸の溶出が認められなかったことを明らかにした。また,市販製品の分析結果から,干しタクアン漬けにおいて,全脂肪酸および遊離脂肪酸ともに多く含まれていた。この結果は,他のタクアン漬けとの比較により,全脂肪酸に対する遊離脂肪酸の存在比の高さは,干すことによる単なる濃縮効果だけでなく,熟成効果に違いが現れることが明らかになった。次に,青首ダイコンを用いて異なる条件下で塩蔵ダイコンを試作し,脂肪酸生成のメカニズムを明らかにするとともに,その他の品質に関わるアミノ酸,糖,有機酸についても経時的な変化について解析を行った。その結果,塩蔵ダイコンの成分変化の差はダイコンの脱水方法に依存し,陰干し後の塩蔵ダイコンでは,プロリン,コハク酸,スクロース,そして不飽和脂肪酸の蓄積が見いだされ,これらは塩のみで脱水させた塩蔵ダイコンではあまりみられない成分である。本年度の研究成果は,伝統的な手法でつくられる干しタクアン漬けの優位性を科学的に裏付けるものとなり,塩押しタクアン漬けが主流となりつつある漬物業界の中で“干す"という一手間を加えることで機能性,呈味性に関しても期待できるタクアン漬けになることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Photoisomerization of 2-[3-(2-Thioxopyrrolidin-3-ylidene)methyl]-tryptophan, a Yellow Pigment in Salted Radish Roots2008

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Matsuoka, Shuji Honzawa, Asaka Takahashi, Hiroko Yoshikawa, Emi Watanabe, Takeaki Watanabe, Yoshio Ozawa, Yoichi Yamada, Takeshi Ilzauka, Yasushi Uda
    • 雑誌名

      Biosci. Biotechnol. Biochem 72

      ページ: 2262-2268

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ダイコンとタクアン漬けの研究2008

    • 著者名/発表者名
      松岡寛樹
    • 雑誌名

      群馬県分析研究会会報 34

      ページ: 4-7

  • [学会発表] 塩蔵ダイコン中の脂肪酸の解析とその抗変異原性に関する研究2009

    • 著者名/発表者名
      須永晃多, 木村紀久, 高橋仁恵, 高橋朝歌, 松岡寛樹
    • 学会等名
      群馬県分析研究会
    • 発表場所
      桐生地域地場産業振興センター
    • 年月日
      2009-01-30
  • [学会発表] 塩蔵ダイコン中の抗変異原性を有する脂肪酸の解析と各種塩蔵条件下における消長について2008

    • 著者名/発表者名
      須永晃多、木村紀久、高橋仁恵、高橋朝歌、松岡寛樹
    • 学会等名
      日本食品科学工学会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20080900
  • [備考]

    • URL

      http://www.takasaki-u.ac.jp/dept/eiyo/teacher/index.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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