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2008 年度 実績報告書

多糖類の低分子化を利用した氷温貯蔵野菜の高品質化

研究課題

研究課題/領域番号 20500694
研究機関大阪樟蔭女子大学

研究代表者

安藤 真美  大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (50234183)

キーワード氷温 / 保存 / 鮮度 / 野菜類 / 物類 / 物性 / 官能検査
研究概要

消費量が多い野菜・果物を選び,それらに氷温貯蔵を施すことにより品質の改善を試みた。品質の指標としては官能検査を基本とするとともに,主に遊離糖類に注目し,その増減と官能評価との相関性を調べ、さらにその他の指標の変化を明らかにすることにより,より好ましい品質の食材を作り出すための氷温貯蔵条件の決定をめざした。
まず、生食する機会が多く高鮮度が要求される食品であるトマト(果菜類)について、氷温貯蔵による鮮度保持効果を室温および冷蔵の場合と比較した。その結果,氷温で貯蔵することにより重量の減少が抑制された。また,細胞壁の構造がより長時間維持され,結果的に物性の保持期間が長くなった。さらに,糖度においては常温では21日目以降に減少したのに対して,氷温では逆に増える傾向にあった。抗酸化能はいずれの試験区も貯蔵期間の延長と共に上昇した。以上の結果より,トマトを氷温貯蔵することで重量の減少や細胞壁の破壊の抑制,糖度や抗酸化能の上昇が認められ,保存性の向上と高品質化が同時に実現された。
さらに、夏場の代表的な果実であり,また甘味が特に重要であるスイカ(果物類)について,氷温(-1℃)により最長1週間保存し,その効果を冷蔵(5℃)と比較した。その結果,氷温で貯蔵することにより官能検査における甘味の評価が冷蔵に比べ有意に高くなった。またそれに伴い,フルクトースの増加が認められた。以上の結果より,スイカを氷温貯蔵することで甘味に関与する糖類が増加し,その結果として甘味の向上が認められたことから,氷温貯蔵による新たな付加価値をもつスイカの生産の可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] トマトの鮮度保持に対する氷温貯蔵の効果2008

    • 著者名/発表者名
      安藤真美, 杉本奈穂, 神田知子, 山根昭彦
    • 雑誌名

      氷温科学 11

      ページ: 12-19

    • 査読あり
  • [学会発表] スイカにおける氷温貯蔵の効果2008

    • 著者名/発表者名
      安藤真美, 出口かおり, 中尾幸世, 山林由衣
    • 学会等名
      平成20年度氷温研究全国大会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      2008-09-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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