健康を維持し、生活習慣病の増加にストップをかけるためには、「生涯を通じた食育」システムの整備と、「どれだけ食べればよいかをわかりやすく提示すること」が必要である。本研究の目的は、自分自身で適切な食事量をつかみ、身体の状況や運動量に応じてコントロールすることができる方法を確立していくことである。女性ばかりでなく、小さい子供や、若い男性層や高齢の人にも自分の適切な食事量をつかんでもらうためには、国ですすめている食事バランスガイドをさらに改良していく必要がある。本研究では、自分の手を器にして「いつでもどこでも食事量をつかむ」方法を開発し、一生涯にわたって食事管理できる方法を確立していくことをめざしている。 初年度(20年度)は、食事量教育を到達段階別に4段階に分けて考案し、「手のひら」量教育の基本的な骨組みを組み立てた。手のひら法を使って効果的に量教育ができることが可能であることがわかった。食事バランスガイドと整合させて、よりわかりやすい手のひらを使った量教育の概要を組み立てた。到達段階別にそれぞれの獲得目標を明確にし、「手のひら」量教育の基本的な枠組みができたので、その手のひら法を使った量教育の検証も実施した。その結果、効果的に手のひらで食事量を学習できることを確認することができた。到達段階の判定は、簡易判定表を利用した方式と自主選択方式で判定できるようにした。食事量の過不足がもたらす問題点については、段階別に学習できる内容にした。2年次は、肥満・痩せの人、年齢別に手のひら法での適量摂取法を確立をめざしていく。
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