研究課題
20-21年度の研究で従来見いだされていたPro-Hypの他にHyp-Gly等の食事由来コラーゲンペプチドがヒト抹消血中に存在する事を見いだした。またHyp-Glyは初代培養マウス皮膚線維芽細胞のコラーゲン上での増殖を促進する事も見いだした。22年度は、これらのコラーゲンペプチドの増殖促進効果が初代培養線維芽細胞の方が経代した細胞より顕著である事の理由の解明を試みた。まず、マウスの皮膚から遊走してきた初代培養線維芽細胞をプラスチックプレート上で経代した線維芽細胞のペプチドトランスポーターの発現をcDNAを調製後、real time PCR法によって評価した。その結果、アミノ酸の取り込みも行う、PHT1はいずれの細胞でも発現に大差はなかったが、ジ、トリペプチドの特異的なトランスポーターであるPEPT1、PEPT2は初代培養系でのみ有意な発見が認められ、経代によって急激に発見が減少する事を認めた。このペプチドトランスポーターの発現の差がコラーゲンペプチドへの応答の差に関係する事が示唆された。次いで、初代培養線維芽細胞が培養条件下でPro-Hypの取り込みを検討した。培地にPro-Hypを加えると、プラスチック上での培養細胞の抽出液には有意な量のPro-Hypが検出され、細胞中にPro-Hypが取り込まれる事が明らかとなった。その抽出液を塩酸加水分解すると、Hyp, Pro以外の未同定のアミノ酸が遊離してきた。この結果はPro-Hypがペプチドのまま、さらに代謝を受けている可能性を示唆する。この代謝が線維芽細胞への作用に関係する可能性があるため、現在新たに細胞中で生じたペプチドの同定を行っている。さらに、コラーゲンゲル上の線維芽細胞へのコラーゲンペプチドの取り込みについても現在検討している
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Food Chemistry
巻: (印刷中)
Int.J.Food Sci.Nutri.
巻: 61 ページ: 52-60
食品加工技術
巻: 30 ページ: 1-7
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