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2008 年度 実績報告書

糖尿病妊娠ラットより生まれた新生仔の異常を目安に食生活の効果を検討する

研究課題

研究課題/領域番号 20500718
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

小浜 智子  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (00364703)

研究分担者 那須 律子  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助手 (60383147)
キーワード栄養学 / シグナル伝達
研究概要

遺伝性の強い疾患は、DNAを介して子孫に伝わるのが一般的である。しかし、遺伝的背景が全く無くても、子孫に親の疾患の影響が及ぶこと分かってきた。(Nasu et al. Endocrine J2007に発表)。本研究は、ストレプトゾトシン処理により人工的に発症させた糖尿病妊娠モデルラットを作成し、この親から生まれた仔・孫への親の糖尿病の影響を検討した。さらに作成したモデルラットに正常餌、ラード(動物性高脂肪酸)、魚油(n-3系不飽和脂肪酸)の3種類の餌を摂取させ、食事の影響も検討した。糖尿病である親の影響は、生化学検査やインスリンシグナル系たんぱく質のリン酸化について解析した。
生化学検査においては、血糖値は糖尿病親ラットではコントロールラットと比較して高値となったが、魚油摂取群では高値ながらもラード摂取群より低値を示した。また、仔ラットの血糖値は、出生時は高値を示したが、成長と共に低下し正常値まで低下した。中性脂肪は母・仔ラットにおいて糖尿病群で高く、その中でも魚油摂取群はラード摂取群より低下傾向を示した。n-3系不飽和脂肪酸を多く含む魚油は、母ラットや仔ラットの脂質代謝を改善することより影響を与えると考えられた。インスリンシグナルについて検討した結果、糖尿病親ラットより生まれた仔において、Akt2の発現レベルの低下とAktのリン酸化の阻害が認められた。このことから、血液の生化学的検査だけでなく、細胞内情報伝達系にも妊娠中の食事が仔に影響することが分かった。
インスリンシグナル系蛋白質を指標として、親の糖尿病の影響や食事の影響をすることが示された。今後は詳細な検討を行い、糖尿病妊婦に対する魚油の食事療法への有用性を検討していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 小児期発症糖尿病患者の妊娠に関する問題点2008

    • 著者名/発表者名
      小浜智子
    • 雑誌名

      糖尿病と妊娠 8

      ページ: 74-76

    • 査読あり
  • [学会発表] Effect of a high-fat diet on diabetic mother rats and their offsprings and insulin signaling.2008

    • 著者名/発表者名
      那須律子
    • 学会等名
      American Society for Cell Biology
    • 発表場所
      アメリカ サンフランシスコ
    • 年月日
      2008-12-15
  • [学会発表] 母体糖尿病は子孫に悪影響を及ぼすか2008

    • 著者名/発表者名
      小浜智子
    • 学会等名
      日本糖尿病・妊娠学会
    • 発表場所
      群馬県 高崎市 高崎シティギャラリー
    • 年月日
      2008-11-28
  • [学会発表] 高脂肪餌摂取による糖尿病妊娠ラットの仔へのインスリンシグナル変化2008

    • 著者名/発表者名
      那須律子
    • 学会等名
      日本糖尿病学会
    • 発表場所
      東京 国際フォーラム
    • 年月日
      2008-05-22

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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