• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

糖尿病妊娠ラットより生まれた新生仔の異常を目安に食生活の効果を検討する

研究課題

研究課題/領域番号 20500718
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

小浜 智子  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (00364703)

研究分担者 河原田 律子  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 助教 (60383147)
キーワード糖尿病 / 妊娠 / 高脂肪食
研究概要

胎生期の栄養状態は成長後の糖脂質代謝異常、心血管障害に関与することが知られている。そこで、糖尿病妊娠モデルラットに高脂肪食を与え、生まれた仔や孫に与える食餌の影響を検討した。
妊娠1日目のWistarラットを用い、ストレプトゾトシン投与による糖尿病モデルラット(D群)と生食を投与したコントロールラット(C群)を用いて実験を行った。普通食(C)、高脂肪ラード食(L)、高脂肪魚油食(F)をそれぞれ与え、6群(C-C、 C-L、 C-F、 D-C、 D-L、 D-F)で実験を行った。餌は仔・孫の3世代まで継続的に投与し、血糖値、血清脂質を測定した。出生4日目の仔や孫ラットより心臓を摘出し、心臓より抽出した可溶性蛋白質を用いて、インスリンシグナリングのAkt、 MAPキナーゼのp38、 ERK、 JNKのそれぞれについてリン酸化レベルを測定し解析した。
親の血糖値は糖尿病ラットではコントロールラットと比べ有意に上昇した。糖尿病ラットから生まれた仔の血糖値は出生時には有意に高値であったが、成長に従い正常値まで低下した。仔ラットの中性脂肪は糖尿病ラットのラード食(D-L)は、普通食(D-C)と比較して高値を示したのに対し、魚油(D-F)ではラード食(D-L)より低値を示した。Aktのリン酸化レベルは仔の代では糖尿病ラットの普通食(D-C)、ラード食(D-L)、魚油食(D-F)ではコントロールラット(C-C)と比較して有意に減少した。p38のリン酸化レベルは糖尿病ラットの普通食(D-C)やラード食(D-L)で高値を示したが、魚油食(D-F)では低下する傾向が認められた。
糖尿病妊娠ラットの高脂肪食の摂取は仔の出生時血糖値や中性脂肪値に影響を及ぼし、分子シグナリング解析により、その影響は新生仔の心臓においても観察された事から、母親が糖尿病であると生まれた仔は親の糖尿病の影響を受け、さらに胎生期の栄養状態がそれらに影響を及ぼすと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 高脂肪食を投与した糖尿病ラットの子孫における心臓のシグナル伝達系に与える影響2010

    • 著者名/発表者名
      河原田律子
    • 雑誌名

      糖尿病と妊娠

      巻: 10(1) ページ: 97-104

    • 査読あり
  • [学会発表] 糖尿病母ラットより生まれた仔の心臓におけるインスリンシグナル変化2010

    • 著者名/発表者名
      河原田(那須)律子, 中村彰男, 小濱一弘, 小浜智子
    • 学会等名
      日本糖尿病学会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20100500
  • [学会発表] Effect of a high-fat diet on the skeletal muscle and the heart of diabetic mouse2010

    • 著者名/発表者名
      河原田律子
    • 学会等名
      American Society for Cell Biology
    • 発表場所
      アメリカ(サンフランシスコ)
    • 年月日
      2010-12-19

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi