研究概要 |
本研究では,これまで基礎的知見を蓄積したモデル動物を用いて,軽度肥満における初期炎症状態を評価できるバイオマーカーと測定タイミングを探索することを前半の目的とする。具体的には,炎症性マーカーとして脂肪細胞由来のTNF-α,IL-6,アディポネクチン,肝臓由来のC反応性タンパク質などを検索する。初期炎症段階では分泌量に差がないことも想定されるのでこれらサイトカインのmRNA発現量やマクロファージを誘導するMCP-1などのmRNA発現量も検討する。また,これらの上流に位置するインスリン分泌にかかわるインクレチン(GIP,GLP-1)やグレリンの分泌量または遺伝子発現も調べていく。 第一段階として,摂取期間,サンプリングのタイミングなどを検討し,動物実験によるメタボリックシンドロームの予防効果を評価できる実験系を構築する。第二段階として初期炎症状態をモニターできる初期変動マーカーを探索する。第三段階として本評価系を用いて疫学調査の上では有効とされる穀類,乳製品やエビデンスの乏しい健康食品素材などを用い,どのステージにおいて有効なのかについて,食品素材の作用を高感度に検出していくことが研究期間内の到達目標である。
|