研究概要 |
本研究では,近年新たに大きな問題とされている養育者である母親自身のダイエット志向,体型への関心の程度をとりあげ,さらに母親の育児行動が子どもの健全な食行動の発達にとって適度な「ゆらぎ」をもつものかどうかを検討することを目的としている. 今年度は,1)母親の育児行動,体型への関心が幼児の食行動に与える影響についてのインターネット1次調査実施と2)食事調査に関する2次調査の準備をする予定であった. 1)について,前年度に分析された予備調査データについて,さらに詳細に母親の育児ストレスに影響を与える食行動要因を検討する必要性が生じ,因果モデルを検討するために,また,2次調査との連動性をよくするために,質問項目選定の最終調整を実施するにとどめた.その結果,育児ストレスに直接的に影響を与えた要因は,母親の偏食,外食,夕食時メニューの健康重視であり,偏食,外食に影響を与えたのは,母親の刹那的享楽性と家族における食器の個別使用であることが明らかとなった.この結果と我々が実施した先行研究を元に,母親の体型への関心,母親の育児行動,食行動,子どもの食行動,日常的な行動問題に関する質問項目が作成された. 2)については,今田が研究代表者である平成19~21年の科学研究費での研究における最終年度において実際の食事記録の収集法についてOpenPNEを活用した食事日誌掲載という方法の有効件が検討されおり,2次調査に臨める準備体制が整えられた.
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