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2011 年度 実績報告書

母親の育児行動・体型への関心が幼児の健全な食行動の発達に与える影響について

研究課題

研究課題/領域番号 20500722
研究機関大正大学

研究代表者

長谷川 智子  大正大学, 人間学部, 教授 (40277786)

研究分担者 今田 純雄  広島修道大学, 人文学部, 教授 (90193672)
田崎 慎治  広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教 (20533988)
キーワード育児行動 / 体型への関心 / 母親 / 幼児
研究概要

平成23年度は,インターネット調査における1次調査(母子の食態度,日常行動)と2次調査(母親の日常の食事)の詳細な分析とそれらの知見に基づく栄養・保健指導における適応の検討であった.
まず,1次調査から,現在の育児充実感を従属変数とした要求授乳に関するSEMのモデルを検討した.その結果,子どもの痩身への期待が低いと要求授乳となり,子どもの痩身への期待の低さの背景として母親自身の痩身願望の低さ,BMIの低さが認められた.一方,BMIは子どもの痩身への期待にも直接的に影響を与えており,母親のBMIが高いほど子どもの痩身への期待が低かった.要求授乳が直接的に影響を与えた変数は育児充実感の強さと子どものやることを口出しせずにやらせているとする母親の行動であり,そのような母親の行動が子どもの笑顔の多さと育児充実感の強さに影響を与えていた.
次に1,2次調査から,母親の食事バランス6分類と体型・食態度に関する変数の関連を検討した.食事バランス6分類の摂取と各尺度との間にみられた関連性は主食と抑制摂食・やせ願望,副菜と偏食,主菜と外食頻度,牛乳・乳製品と偏食,果物と情動摂食であった.また,母親と夫の学歴,世帯年収は,主に副菜,主菜,牛乳・乳製品,果物の摂取と関連した.これらのことから,実際の食事と関連する要因の心理・社会的要因の多様性が示唆された.
従来の保健現場における授乳指導は,子どもの授乳量や母乳の分泌および授乳時の体位などの実践的な側面に焦点化される.しかしながら,本研究で得られた知見,すなわち母親の授乳スタイルのあり方が1)母親の体型や痩身意識の要因と2)母子関係の要因の両方が関係するということに基づいて,栄養・保健指導現場での授乳指導において母親の授乳スタイルに注目し,母親による子どもの要求の読み取りに重点を置くことが長期的な母子の新たなる支援となる可能性があることが提案された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Survey Monkeyを用いた「食事バランスガイド」教育プログラム作成の試み2012

    • 著者名/発表者名
      今田純雄, 長谷川智子, 武見ゆかり, 田崎慎治
    • 雑誌名

      広島修大論集(人文編)

      巻: 52 ページ: 63-76

  • [雑誌論文] 家族の食卓と子育て(1):飽食環境と母親2012

    • 著者名/発表者名
      今田純雄, 長谷川智子, 田崎慎治, 他1名
    • 雑誌名

      広島修大論集(人文編)

      巻: 53(印刷中)

  • [学会発表] 幼児と母親の食行動に関する研究(1)幼児の食行動の問題に影響を与える母子の要因の検討2011

    • 著者名/発表者名
      長谷川智子, 今田純雄, 田崎慎治
    • 学会等名
      第75回日本心理学会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2011-09-16
  • [図書] 子どもと食:食育を超えて2012

    • 著者名/発表者名
      長谷川智子(分担執筆)
    • 出版者
      東京大学出版会(印刷中)

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公開日: 2013-06-26  

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