研究課題/領域番号 |
20500724
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
木本 万里 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (60101565)
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研究分担者 |
戸田 一雄 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80134708)
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キーワード | 基本味 / カプサイシン / ピペリン / ナロキソン / 2瓶選択法 / ストレス / 成長期 / SPFラット |
研究概要 |
ウィスター系SPFラットを用い、1日10分間のストレス負荷を成長期(24-69日齢)に行った。対照は無処置群とした。味覚の変化を46-68日齢で味溶液を用い水との2瓶選択法で調べた。 実験1:雌雄ラットを用い5基本味とカプサイシンの溶液に対するストレス種(金網拘束群あるいは重力負荷3G群(+2G負荷))による味覚感受性の変動について調べた。雄では金網拘束によりカフェインの有意な摂取量の増加とクエン酸に対する嗜好比率が低下し、重力負荷によりスクロースの摂取量の減少傾向となった。雌では金網拘束によりカプサイシンの摂取量の減少と嗜好比率で有意なスクロースに対する増加とカプサイシンに対する減少となった。重力負荷により摂取量においてクエン酸とカフェインの有意な増加、NaCl、カプサイシンの増加傾向と、嗜好比率でサッカリンNaに対する減少傾向となった。成長期での味覚感受性に対するストレス負荷の影響は雄より雌に対して強く、ストレス種により異なっていた。 実験2:雄ラットに、重力負荷(3G)あるいは重力負荷前10分前に生理食塩水(3G+生食)あるいはオピオイド拮抗剤であるナロキソン(1mg/b.d.kg)投与(3G+ナロキソン)し、各々50μMの胡椒、生姜、辛子、山葵、唐辛子、ハッカの主成分(主に辛味)と3mMサッカリンNaの溶液を用いた味覚テストを行い、その溶液摂取の機序について解析した。(3G+生食)群はピペリンとジンゲロールの摂取量増加の傾向があった。カプサイシンにおいては(3G+ナロキソン)群は他の3群に比し摂取量が有意もしくは減少傾向を示した。嗜好比率では(3G+ナロキソン)群はピペリンで有意に比率が増加し、カプサイシンでは他の3群に比し比率は有意もしくは減少傾向を示した。カプサイシン溶液における重力負荷による味覚感受性の変動の機序として内因性オピオイドの関与が示唆された。
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