モデルラットにおける内臓脂肪と乳癌発症機序の解析と制御因子の同定 ヒトの内臓脂肪症候群のモデルラットOLETFに乳癌発症させる発癌剤であるEMSを12週間投与し、乳癌発症の経過と血中の種々のサイトカインを測定し、コントロールのLETOラットと比較した。OLETFラットは、EMS投与後、20週から乳癌発症が確認された。コントロールのLETOにおけるEMSによる乳癌発症は24週になっても発症を認めていない。EMS投与量には両群で差はなく、このため内臓脂肪ラットは明らかに乳癌になりやすい傾向にあることが判明した。血中のアディポネクチンを含めた種々のアディポカイン、TNF-α、尿中エストロゲンなどを4〜8週ごとに測定しており、現在解析中である。 (2)OLETFで発症した乳癌組織のエストロゲンとプロジェステロン受容体、Her-2などの受容体発現などを調べたところ、この乳癌はエストロゲン受容体に富み、Her-2は陰性であった。以上の結果の一部を2008年度第67回日本癌学会学術総会(名古屋)P-6046で発表した。
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