研究課題/領域番号 |
20500735
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
大和 孝子 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (70271434)
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研究分担者 |
青峰 正裕 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60091261)
西山 敦子 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (90461475)
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キーワード | 糖尿病 / カテキン / 神経伝達物質 / 一酸化窒素 / 食行動 / ラット / マイクロダイアリシス |
研究概要 |
近年、茶に含有される成分の生理機能や茶と健康との関わりについての研究が進み、茶カテキンを中心に科学的な根拠をもって実証されつつある。カテキン類には、抗がん作用をはじめ、血圧上昇抑制、血小板上昇抑制、血糖上昇抑制、アルツハイマー病予防、肝障害予防など様々な生活習慣病を予防する効果があることが次々と明らかにされている。しかしながら、脳機能へのカテキンの効果に関しては十分には検討されていない。そこで、本研究では抗不安・抗ストレスに対して脳内に放出される神経伝達物質であるセロトニン(5-HT)に焦点を当て、カテキンが脳海馬の5-HT放出に及ぼす影響を調べた。実験動物として雄性のWistar系ラット(体重;270〜310g、週齢;8〜10週)を用いた。脳海馬の細胞外5-HTは、麻酔下にてin vivoマイクロダイアリシス法により定量した。使用したカテキン類は(+)-catechin(以下CAT)、(-)-epigallocatechin gallate(以下EGCG)、(-)-epigallocatechin(以下EGC)、(-)-epicatechin gallate(以下ECG)、(-)-epicatechin(以下EC)の5種類である。茶葉に含まれるのは含有量順にEGCG、EGC、ECG、ECの4種であるが、加熱中にECはCATに変化するため今回は主にCATの作用について調べた。CATは1μM〜1mMの範囲で標準灌流液に混和して用い、他のカテキン類は10μMで用いた。なお、カテキン類の脳内灌流時間は100分間とした。その結果、5種類のカテキン類全てにおいて5-HT放出を増加した。中でもECは5-HTのbaselineレベルを約270倍増加し、次いでCAT(約5.5倍)、EGC(約2.9倍)、ECG(約2.6倍)、EGCG(約1.6倍)の順であった。CATは濃度依存性に5-HT放出を増加し、ED_<50>は約0.1mMであった。
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