研究課題/領域番号 |
20500735
|
研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
大和 孝子 中村学園大学, 栄養科学部, 講師 (70271434)
|
研究分担者 |
青峰 正裕 中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (60091261)
西山 敦子 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (90461475)
|
キーワード | 糖尿病 / カテキン / 神経伝達物質 / 一酸化窒素 / 食行動 / ラット |
研究概要 |
茶に含有される成分であるカテキン類には、抗がん作用をはじめ、血圧上昇抑制、血小板上昇抑制、血糖上昇抑制、アルツハイマー病予防、肝障害予防など様々な生活習慣病を予防する効果があることが次々と明らかにされている。一方、生活習慣病の一つである糖尿病は酸化ストレスの増大が病態悪化の一因であると推察されるが、茶カテキンにおける糖尿病状態の酸化ストレスに対する改善効果に関しては十分には検討されていない。そこで、本研究では高濃度茶カテキン飲料における糖尿病の改善効果について検討した。実験動物として雄性(体重;270~310g、週齢;8~10週)のWistar系ラット(非糖尿病群)およびSTZを投与した糖尿病ラット(糖尿病群)を用いた。それらを市販の高濃度茶カテキン飲料(カテキン茶)を経口投与(5.8ml/kg)した群、自由摂取させた群および水摂取群の3群に分け2週間飼育した。その結果、糖尿病群におけるカテキン茶投与による血糖値の上昇抑制効果はみられなかった。このことはカテキン茶投与期間が短期間(2週間)であったことが考えられる。一方、糖尿病群は非糖尿病群に比べ、血清中の酸化ストレス度は高い傾向にあり、抗酸化力は低い傾向にあることがわかった。しかし、カテキン茶を投与することで糖尿病状態にある糖尿病群では、血清中の酸化ストレス度を軽減し、抗酸化力を上昇させる可能性があることが示唆された。さらに血清中のNO量は非糖尿病群に比べ糖尿病群の方が少ない傾向にあった。糖尿病における血清中のNO量の報告は様々であり、一定の評価は得られていないが、本研究の結果はKinoらの報告と一致するものであった。
|