• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

食生活改善による血管のアンチエイジング戦略-栄養学による血管内皮機能の改善-

研究課題

研究課題/領域番号 20500736
研究機関西南女学院大学

研究代表者

田川 辰也  西南女学院大学, 保健福祉学部, 教授 (50347142)

キーワード血管内皮機能 / メタボリックシンドローム / 栄養学的介入 / 動脈硬化予防 / アンチエイジング
研究概要

アルギニンは一酸化窒素(NO)を産生させるNO産生酵素(NOS)の基質である。ヒトにアルギニンを動脈注射すると血管内皮機能が改善されることが知られている。そこで、今回我々は、アルギニン2500mgを含むアイソカル・ジェリーArg(ジェリーArg)の長期投与が、前腕血管拡張機能(血管内皮機能)に及ぼす影響を検討した。対象者は若年健康成人女性9名。静脈閉鎖プレチスモグラフ法を用いて安静時及び5分間の疎血後に生じる反応性充血時の前腕血流量を測定した。また、採血にて、総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、遊離脂肪酸、高感度C反応性蛋白(高感度CRP)、高分子アディポネクチン、尿検査ではNOxを測定した。まず、安静時及び反応性充血時の前腕血流量の測定と採血検査及び尿検査を行った。次に、ジェリーArgを1個/日、4週間投与後し、再び安静時及び反応性充血時の前腕血流量の測定と採血検査及び尿検査を行った。結果、ジェリーArgの投与前後で、安静時と反応性充血時のピークの前腕血流量は変化しなかったが、反応性充血時のピーク後の前腕血流量の低下が抑制され、FDRが有意に増加した(FDR:124±0.12v.s1.91±0.15:p<0.01)。採血項目では、総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪、高感度CRP、高分子アディポネクチン、NOx/Crは、ジェリーArg投与前後で有意な差はなかったが、遊離脂肪酸はジェリーArg投与後では、有意ではなかったが減少傾向がみられた。以上の結果から、ジェリーArgの長期投与により、血管内皮機能が改善されたと考えられた。ジェリーArg投与による血管内皮機能の改善の機序としては、血管内皮細胞におけるアルギニンからのNOの産生・分泌の増加と、遊離脂肪酸の減少による脂肪毒性の減少が考えられる。したがって、アルギニンの長期経口投与は血管のアンチエイジングに有効であり、将来起こりうる心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の発症抑制に有効である可能性がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] アルギニンの経口投与によるヒト血管内皮機能の改善効果に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      田川辰也、天本理恵、石本祐子、甲斐さや香、柏由佳、北山佳奈
    • 雑誌名

      西南女学院大学紀要

      巻: 14 ページ: 69-75

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Free fatty acid causes leukocyte activation and resultant endothelialdysfunction through enhanced angiotensin II production in mononuclear and polymorphonuclear cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Azekoshi Y, Yasu T, Watanabe S, Tagawa T, Abe S, Yamakawa K, Uehara Y, Momomura S, Urata H, Ueda S
    • 雑誌名

      Hypertension

      巻: 56 ページ: 136-142

    • 査読あり
  • [学会発表] 食生活・アルコールに関する保健指導2010

    • 著者名/発表者名
      田川辰也
    • 学会等名
      福岡県医師会特定健診・特定保健指導フォローアップ研修会
    • 発表場所
      福岡県医師会館(福岡市)
    • 年月日
      2010-08-29
  • [図書] 人体の構造と機能および疾病の成り立ち 疾病の成因・病態・診断・治療2010

    • 著者名/発表者名
      竹中優, 田川辰也, 他
    • 総ページ数
      330
    • 出版者
      医歯薬出版
  • [備考]

    • URL

      http://www.seinan-jo.ac.jp/univers/c00195.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi