本年度は、平成20年度に整理を行った国立がんセンターがん予防・検診研究センター検診受診者144名の4日間秤量法食事記録のデータから算出した食品群別摂取量および栄養素等摂取量を比較の基準として、写真画像による推定摂取量の妥当性の検討を行った。画像による栄養素別推定摂取量は、マグネシウム、レチノール、ビタミンC・B6・D、葉酸では過小評価、多価不飽和脂肪酸では過大評価されていたが、その他の栄養素では差が±10%以内と、比較的正確に推定がされていた。順位相関はほとんどの栄養素で0.6以上と比較的高く、画像による栄養素摂取量の推定の妥当性は、比較的高いことが示された。 また、食事記録データから作成した料理のデータベース(使われた食品名と重量を料理の種類毎に整理したデータベース)の料理別摂取頻度や食品数、成分値の変動などを解析し、料理データベースについての基本情報をまとめ、発表した。このデータベースは、料理名のみをもちいた簡便な食事調査を行うことへの応用が期待されている。今後はさらに、料理データベースの外的妥当性(データベース開発対象の集団と異なる集団においての妥当性)を検討し、他の集団における応用可能性を検討する必要があり、本年度の検討によりその基盤が整った。
|