昨年度に引き続いて密閉室内のラドン濃度の連続測定も行ったが、2台のラドン検出器(Sun Nuclear社ラドンモニター、Genitron社アルファガード)の表示値の整合性を確かめた後、1台(Sun Nuclear社ラドンモニター)は密閉室内用の連続測定に用い、もう一方(アルファガード)はコンクリート中から放出されるラドン量の放出測定に主に用いた。この模擬測定であるが、具体的には室内の壁のコアサンプリングを行い、密閉した容器内に収めてその容器中のラドン濃度を連続測定することによって壁材料からのラドン放出に関する基礎情報を得ようとするものである。真空デシケーターと循環ポンプの組み合わせなど数種のシステムを検討したが、アルファガード検出器に密閉シリンダー(コック付き)を装着する方法に至った。体積の小さなシリンダー内にコンクリート試料を入れることによって有意なラドン濃度を得ながら連続測定を行うようにした。試料は、その量や形状による影響を明らかにするために、円柱状試料2種、粉末状試料を作成した。現在は測定中であり、そのデータ解析を行う予定である。また、試料中に含まれるRa-226、Th-232を、Ge半導体検出器-4k波高分析器を用いたγ線スペクトロメトリーにより定量した。その結果、Ra-226は22.5±0.5Bq/kg、Th-232は18.7±1.1Bq/kgと求まった。この値と測定中のラドンの絶対量とを比較することによって定量的な比較が行えることになり、その理解を深めることができる
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