研究概要 |
1)肥料,2)外部刺激と植物の応答,3)遺伝,4)受粉,胚発生に関する学習プログラムを完成させることを目標とした。 1)植物の成長と肥料(栄養)に関する学習プログラム ファストプランツを使って3年間に渡って植物の成長と肥料に関する学習内容の検討結果から,小,中,高校での学習プログラムに関する論文を平成22年度の宮城教育大学紀要に報告した。 2)外部刺激に対する応答に関する学習プログラム 栽培の温度と光条件に検討を加え,健全な発育には20度以上を保つ必要があること,光はLEDの学習スタンドが適切なことが分かった。また,小・中で取り扱う蒸散の実験に利用する方法についてその実験法を確立した。 3)突然変異体の作出 ファストプランツの種子を大量に生産がうまく行かず,突然変異体の単離には至らなかった。 4)受粉から胚発生 ファストプランツの自家受粉と他家受粉による種子形成率の違い,柱頭での花粉の発芽率の違いを検討し,その自家不和合性についての性質を追求した。柱頭での花粉発芽を光学顕微鏡で観察できる,コットンブルーによる染色法を確立した。更に,モンシロチョウの飼育とファストプランツの栽培を組み合わせ,小学校での昆虫の飼育と植物の栽培,更に受粉に於ける昆虫の役割と種子の形成を含む学習プログラムを検討した。その結果,モンシロチョウの飼育,ファストプランツへの訪花,産卵を実験室内で行うことが出来,実践に向けての基本的問題を解決することが出来た。 5)学校実践 学校実践を目指し,教職大学院の小,中,高の現職教員の先生方と計画準備していたが,東日本大震災により計画は頓挫してしまった。
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