研究概要 |
我が国の科学技術や産業社会の持続的発展のためには,高度な専門知識と広い教養を持ち,かつ創造性,主体性,積極性,問題解決能力をもつ人材の育成が不可欠である.これは社会が求める大学教育への要求でもある.このような社会的要求に応えるために,「教えることで学ぶ」をキーワードとした大学生による小中学生のための機械的・工学的ものづくり教室を試みている.本教室では,大学生が小中学生に対していかにものづくりや実験が楽しくかつ魅力的であるかを実感させるプログラムの創出と実践を行うものである.このような活動を通して,大学生にとっては習得した専門知識の体系化,主体性,問題解決能力,独創性を育てるとともに,コミュニケーションやチームワークの重要性も理解させることを狙いとしている.一方,小中学生にはものづくりの体験を通して,ものづくりや科学技術への興味をもたせ,我が国の科学技術の担い手として成長を促すことも目的としている. 本年度は,小学生と親を対象としたものづくり教室の開催を行った.具体的には,小学生を対象にアルミ缶を利用した「大空を翔るアルミ缶飛行機」「風に向かって進む空き缶ウインドカー」「アルミ缶ポンポン蒸気船」の製作教室,および小学生と親を対象とした「卑弥呼の青銅鏡をつくろう」「鋳造で風鈴をつくろう」を開催し,小学生にものづくりの楽しさを伝えた。一方,大学生はこれらのものづく教室を企画するとともに,取り組みについて学会で報告を行い,ものづくり教育に対する認識が向上した.また,これらのものづくりの手順や注意点をビデオコンテンツとしてまとめ,ものづくりの勘どころを理解できるように整備を開始した.
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