研究概要 |
研究課題「理科に対する学習意欲を向上させるマイクロスケール実験教材の開発と改良」に関する本年度の研究実績は,下記の通りである. 1.マイクロスケール実験関係の情報を,インターネットの検索エンジンや,Chemical Abstractsらの抄録誌,国内外化学および化学関係の雑誌を利用して入手した.とりわけ,日本化学会の「化学と教育」や英国化学会のEducation in Chemistryに関しては,最新号より遡及調査を行った.加えて,日本化学会や日本理科教育学会の年会等に参加して,研究の動向の把握に努めた. 2.これまでに,中学校理科第一分野や高等学校化学IIの「水溶液」の単元で応用可能な,「エタノールと水の混合」に関するマイクロスケール実験について検討した.この研究の継続として,「メタノールや1-プロパノール,2-プロパノールと水の混合」に関するマイクロスケール実験に関して研究を推進させた.その結果,通常実験と比較して,試薬量を1/10以下に縮小できることが判明した. 3.高等学校化学IIや大学初年次化学で取り扱われる「モル質量測定」に関するマイクロスケール実験に関して,研究を推進させた.その結果,従来の方法と比較して,試薬量を1/2以下に縮小できることが判明した. 4.国際基督教大学で開催されたSPP(マイクロスケール化学実験による教育法の研修および実践例の紹介)に参加して,中学校や高等学校,大学教員との情報交換を行った. 5.日本理科教育学会全国大会,関東支部大会や日本化学会春季年会に参加して,これまでの研究成果を発表した.
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