研究概要 |
平成22年度は交付申請書にあげた次の2点 (1)折り紙作図のシミュレーションソフトウェアの設計・開発 (2)折り紙作図の特長を生かした作図問題の収集 に焦点を当てて研究を行った。 (1)については、古典作図の作図ツールとしてのGC、Cabri、Cinderellaを調査し、折り紙作図用のシミュレーションソフトウェアのユーザインターフェイスについて検討を行った。シミュレーションソフトウェアとしてJava言語のappletを用いて試作的なソフトウェアを作成した。今後はタブレット(iPad)上で動作するシミュレーションソフトウェアの開発も行うこととした。 (2)の折り紙作図の特長を生かした作図問題の収集については、古典的な作図では不可能であるが、折り紙作図では可能となる、3次や4次の代数方程式に帰着するような作図問題を収集した。角の三等分線の作図、正n角形(n=7,9,13,19)の作図についてその教材化を進めた。また、Java appletで作成したシミュレーションソフトウェアを用いてその作図手順のアニメーション化を行った。今後は古典的作図で作図不能とされている問題や和算・算額の図形問題を対象にして具体的折り紙作図方法を研究し作図問題の収集を行う予定である。 経費としては、補助金の約5割は調査研究旅費として使用し国内の研究者と情報交換を行った。残りは物品費と謝金および次年度以降の研究のための図書とタブレットの購入にあてた。
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