レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿から復元した機構模型を、見学者が触れられるように配慮した展示活動が、効果的な教育の場であると評価されていることから、現在の活動を今以上に活発化したいと考えている。そこで、展示された模型を見たり、触れたりするだけではなく、会場に足を運んだ子供たちが実際に模型を組み立てられるような機会を提供できれば、体験的な理解度がさらに高まると考え、展示模型に関する「キットの製作」について研究を行った。 まず、これまでに開発した100点を越える模型の中から、どの模型をキットのベースとすべきかを検討した。今回は、試作したキットをテストするためのイベント(ダ・ヴィンチ祭、主催:富山県立大学)の参加者が小・中学校の生徒であることから、構造が複雑ではないものを対象とした。また、身の回りの機械に興味を持たせたいとの思いから、動く機械に組み込まれている軸受けに着目し、ピボットベアリングをキット化した。イベントで円滑な運営が行えることも考慮し、キットは木製の組み立て式とし、部品の追加加工、及び、組み立てのための特別な工具が不要となるようにした。最後に、キットを用いた予備試行を実施し、アンケート調査を行ったところ、概ね良好な結果を得ることができた。ただし、時間的な制約から、本格的な試行には至らなかったため、今後、継続して研究を行う予定である。
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