研究課題
本年度は、昨年度に引き続き、太陽観測衛星「ひので」の観測データを中核として、太陽学習教材の開発を行い、その一部は実践を行った。教材開発を行う上で、天文学会の年会、科学教育学会、宇宙科学技術連合講演会、太陽研究会のほか、国内外の国際会議3件に出席し、ひので衛星の最新研究成果等の情報収集を行い、また研究会出席者らと情報交換を行った。今年は、大学の講義の中で、ひので画像を使ったワークシートを用い、履修学生に太陽画像を解説させる実践を行った。これは学生の講義の理解度を確認することができ、その結果は現在分析中である。来年度も同様の実践を行う予定である。共同研究者の時政典孝(兵庫県立西はりま天文台公園)は、ひので衛星の可視光・磁場望遠鏡のプロミネンス画像から、プロミネンス物質の落下速度を求める教材を開発し、高校生に実践した。この解析結果は、日本天文学会春季年会のジュニアセッションで報告され、1月に岐阜羽島で行われたFITS画像教育利用ワークショップでも報告された。今後は、山村秀人(滋賀県立長浜北星高等学校)らの協力のもと、高校の授業の中で実践する予定である。また、時政・山村とは、粒状斑の温度やコロナの温度を求める教材開発も進めている。また、天文教材に詳しい松本直記氏(慶応義塾高校)と議論を行い、ひのでデータの教材開発や教育プロポザルの可能性について有益な提案を頂いた。教育プロポザルについては、ひので関係者とも議論しており、ぜひ実現したい。研究成果については、国内の学会や研究会で5件、国際会議でも3件の発表を積極的に行っている。特に、3月15日から19日に南アフリカのケープタウンで行われた国際会議で、ひのでの観測データを使った教育・アウトリーチの実践を報告したところ、参加者から非常に好評であった。現在、少しずつではあるが太陽活動が上昇中である。来年度は、この太陽活動の変化を活かした開発した教材も開発し、学校現場の協力のもと、教育現場等で実践し、本研究の総括を行いたい。
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日本科学教育学会 33
ページ: 393-394
http://www.rikkyo.ac.jp/web/yaji/solar/