理工系大学に入学してくる学生のほとんどは、将来への明確な希望や目標を持っていないことが、導入教育の授業で明らかになってきた。学生が将来就くであろう技術者像がはっきりしていないことがその原因と考え、その解決のために企業で技術者が具体的に担当している仕事(職種・職務)を具体的に説明する仕組みづくりとして、本研究を実行している。 本研究の特徴は、学生が今所属している学科を卒業するとどのような業界に就職してどのような仕事(職種・職務)に就くかを検索できるルートと、またそれぞれの業界で活躍している技術者の具体例を検索できるルートを設けて、学生諸君が欲しい情報をいろいろな角度から探すことができるように情報を階層化している点である。そしてどのルートも最終的には上記の技術者が就く具体的な仕事(職種・職務)が検索できるようになっている。ここでは技術者の分類基準を「技術士会」また業界の分類基準を総務省「日本標準産業分類」を参考にしている。 上記のような職業検索の仕組みは、厚生労働省や総務省などの公的機関や就職情報会社等からも紹介されているが、ここではこうした仕組みを体系化して学生が欲しい情報を、一元化することを目指している。対象とする技術者の種類が多いため、本年度は機械技術者、情報技術者および化学技術者に焦点を絞りその検索システムの構築に重点を置き、各方面の有識者の協力を得ながら基本となるデータベースを構築してきた。そして最終版に近いホームページVer.を完成させた。
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