研究概要 |
本年度,創造性教育効果の指標の一つと考えている,ジャパンオープン小型リーグ(車輪部門)で準優勝,同(ヒューマノイド部門)で優勝という素晴らしい成果を上げた。昨年度は全て予選敗退であったことから,なぜ一つも勝てなかったのかをメンバー全員で議論し,問題点を一つ一つクリアした創造力向上の成果と考えている。ロボットの全体的な改良と開発を行った上で,特に画像処理の高精度化の効果が大きかったといえる。 昨年度の研究開始当初,専攻科生を対象として7年間の創造性教育の実践を計画していた。購入した2足歩行ロボットは専攻科特別実験として利用する予定であった。しかしながら,文科省科学技術振興調整費による「ものづくり一気通観エンジニアの養成」プログラム(社会人と専攻科生による共同実験を通したエンジニア教育プログラム)が導入されることとなり,結果として専攻科特別実験はそのプログラムで用意された2年間の実験に置き換わることになった。そのため,専攻科生向け2足歩行ロボットの実験の導入は困難になった。そこで,用意した2足歩行ロボットは,ロボコン経験学生のみならず未経験者の希望学生も含めた本科および専攻科生向け創造性開発教材として,ロボットの高性能化というテーマで取り組ませることに方針を修正した。ロボコン未経験者についてはやや高い段階的な負荷となるが,集中的な指導と経験者の積極的なサポートで対応した。その結果,本教材は昨年度末より10名以上の学生を対象とした創造性育成実験用として用いている。 また海外および近隣で行われるロボカップデモの依頼に積極的に参加させることでプレゼンテーションやコミュニケーション能力の向上を狙った。学生のコミュニケーション能力や創造力に関する意識調査結果から,特に英語コミュニケーション能力では障壁感を取り除くことに,また思考方法や問題解決能力の修得に十分効果的であったことが示された。
|